大山町・大山町議会の公式サイトではありません

第1号 2026年10月13日(火)

大山町の議員定数 16人・14人・もっと少なく――3つの考え方

おことわり解説では3つの考え方を同じ重さで書き、私の考えは「私はこう見る」の欄にだけ書いています。この記事では賛否を集めず、論点の整理と質問への答えに徹します。

公開前の確認:16人を維持する立場の方に、読んでいただいています(確認中)。

1分でわかる

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  • 何が起きる議員の数を16人から14人にする案を、町民の署名で町に求める手続きが始まります
  • いつから変わるのは次の町議選(2029年4月)から。いまの議員の任期には影響しません
  • 決めるのは署名が集まったあと、町議会が賛否を決めます
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一言で言うと

大山町議会の議員の数(定数)は、2013年の町議選から16人のままです。その間に町の人口は約2割減りました。この定数を14人に変える条例の改正を、町民が署名を集めて町に求める「直接請求」が、2026年10月に始まります。

議員の数に「これが正解」という決まった答えはありません。16人のままがいいという考えにも、14人にという考えにも、もっと少なくという考えにも、それぞれの理由があります。この記事では、その理由を同じ重さで並べます。

大山町議会の定数は、2013年から16人のまま

2005年
合併

21人

2009年
の町議選から

19人

2013年
の町議選から

16人

2026年
いまも

16人

出典:大山町議会議員の定数を定める条例と附則(2008年・2012年の改正)

その間に、人口は約2割減った

次の町議選がある2029年には、2010年から約25%減る見込みです。

17,491人2010年
(16人に決めたころ)
13,969人2025年
13,089人2029年
(次の町議選)
12,208人2033年

2010年は国勢調査(定数を16人に改めた2012年の条例改正の直前)。2025年以降は国立社会保障・人口問題研究所の推計(2023年推計。年ごとの値は直線で補間)。住民基本台帳の人口は2026年4月1日現在14,368人。

数字で見る、いまの大山町議会

議員の数定数16人(いまは15人。2026年1月に1人が辞職)
常任委員会2つ(総務経済、教育民生)。定数16人なら8人ずつ
前回の町議選2025年4月。定数16に17人が立候補し、落選は1人。投票率70.5%
議員報酬月額23万5千円。期末手当とあわせて、1人あたり年約380万円

出典:大山町議会議員の定数を定める条例と附則、国勢調査、大山町の住民基本台帳人口、大山町議会「議会の構成」、選挙ドットコム、大山町議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例。

直接請求って何?どう進む?

直接請求は、地方自治法第74条にもとづく町民の権利です。有権者の50分の1以上の署名を集めると、条例の案そのものを、町議会の正式な議題にできます。お願いの文書を出す「陳情」とは違い、町は20日以内に議会を開き、条例案を議会に出さなければなりません。

大山町議会基本条例の第17条第3項も、議員定数の改正について、町民の直接請求による場合があることを書いています。

直接請求の流れ(日付は予定)
  1. 1
    申請と告示10月13日に申請、19日ごろ告示

    請求の代表者が町に申請し、町が証明書を交付して告示します。

  2. 2
    署名集め(1か月)10月19日ごろ〜11月18日ごろ

    有権者の50分の1以上(248人以上)。ご本人が、正式な署名簿に自筆で書きます。

  3. 3
    審査と縦覧11月下旬〜12月初め

    選挙管理委員会が20日以内に署名を審査し、署名簿を7日間、誰でも見られるようにします(縦覧)。

  4. 4
    町へ請求12月

    町は請求の要旨を公表し、20日以内に議会を開いて、意見を付けて条例案を出します。

  5. 5
    議会で審議12月定例会か1月の臨時会

    請求の代表者が、議会で意見を述べることができます(法律で保障されています)。

  6. 6
    議会が決める

    可決・否決・修正ができます。結果は公表されます。

出典:地方自治法第74条・第74条の2、同法施行令第91〜92条。有権者数は2026年9月1日の選挙人名簿(12,359人)から計算。

陳情との違い
陳情直接請求
議会に出るもの要望の文書条例案そのもの
町原則関わらない20日以内に議会を開く
町民の発言保障はない代表者が議会で意見を述べられる
署名決まった手続きはない選挙管理委員会が審査・縦覧

署名に必要な数は、有権者の50分の1以上です。2026年9月1日の選挙人名簿(12,359人)で計算すると248人以上。正式な数は、選挙管理委員会が告示のときに示します。

署名は、正式な署名簿に、ご本人が自筆で書くものだけが有効です。このサイトでは署名を集めていません。出典:地方自治法第74条・第74条の2、同法施行令第91〜92条、大山町議会基本条例。日付は予定です。

3つの考え方

並べる順番は、数の多い順です。どれが正しいかを示す順ではありません。

議案を審査する2つの委員会は、何人ずつになるか
16人(いま)
総務経済8人
教育民生8人
14人
総務経済7人
教育民生7人
12人
総務経済6人
教育民生6人

議長も委員として入る、いまの大山町議会の運用のまま、委員会をかけ持ちせずに組んだ場合。研究者の目安は「1委員会7〜8人」、ただし「議論できる人数として6人は下らないのではないだろうか」(全国町村議会議長会『町村議会議員の議員報酬等のあり方 最終報告』2019年)。

16人を維持する

  • 町民の声を幅広く反映するには、今の人数が必要だ。2023年に議会で議論したときも、この点が強調され、現状維持が多数だった
  • 大山町は189.8km²と広く、2005年に3つの町が合併した。全国の町村を見ると、面積の広い町ほど議員が多い傾向がある
  • 研究では、議員の数が少ないほど無投票になりやすく、女性議員も増えにくい傾向が示されている
  • 一度減らすと、増やすのはほとんど不可能に近い

14人にする

  • 16人に決めたころから人口は約2割減った。町民の数に合わせて、議会の形も見直す時期だ
  • 議案を審査する2つの委員会を、7人ずつ同じ人数で組める。研究者が目安にする「1委員会7〜8人」の範囲に収まる
  • 人口が同じくらい(1.3万〜1.5万人)の全国の町では、いちばん多い定数は14人
  • 減らしすぎると、新しく手を挙げる人のハードルが上がる。14人はそこに配慮した数

もっと少なくする(12人など)

  • 研究者は「議論できる人数として6人は下らないのではないだろうか」とも書いている。6人ずつなら12人で2つの委員会を組める
  • 16人に決めたころから2029年までに、人口は約25%減る見込み。16人の25%減は12人
  • 面積が同じくらい(180〜220km²)の全国の町では、定数の真ん中は12人。県内でも湯梨浜町と岩美町が12人で議会を運営している
  • 住民サービスが見直される中で、議会も必要最低限の形にして、自ら見直す姿勢を示すべきだ

データで見る

議員1人あたりの町民の数

14人にすると、2033年の1人あたりの町民は、いまの16人とほぼ同じになります。

  • 2010年16人に決めたころ約1,090人
  • 2025年16人約870人
  • 2033年16人のまま約760人
  • 2033年14人にしたら約870人
  • 2033年12人にしたら約1,020人

人口は2010年が国勢調査、2025年・2033年は国立社会保障・人口問題研究所の推計(2023年推計)。人口を定数で割って計算。

比べるグラフは「県内・全国の町と比べると」にあります。出典:議会だより だいせん74号(2023年11月)、全国町村議会議長会『町村議会議員の議員報酬等のあり方 最終報告』(2019年)、同「第71回町村議会実態調査」(2025年7月1日現在)、国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口(2023年推計)、各町の議員定数条例。

ここが確かめたいところ

賛成側にも反対側にも、同じ厳しさで確かめます。

  1. ① 減らせば、選挙は活発になる?そうとは言えません。県内では、北栄町(15→13人)と伯耆町(14→13人)が、減らしたあとの2025年の町議選で無投票でした。逆に、若桜町や江府町のように、無投票や定数割れのあとに減らして、選挙になった町もあります。全国の研究も、定数が少ないほど無投票になりやすい傾向を示しています。出典:選挙ドットコム、各町の選挙結果、各町の議員定数条例、全国町村議会議長会『最終報告』(2019年)第2章
    大山町の町議選(定数16人になってから)
    年立候補落選投票率
    2013年17人1人79.3%
    2017年19人3人75.8%
    2021年20人4人68.8%
    2025年17人1人70.5%

    大山町の町議選は町長選と同じ日に行われる(2021年は町長が無投票)。出典:選挙ドットコム

  2. ② お金はどれだけ変わる?議員を2人減らすと、報酬と期末手当で年約760万円です。町の予算全体から見れば小さな額で、財政を立て直す額ではありません。研究でも、議員の数と町の支出の関係ははっきりしていません。出典:大山町議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例から計算、全国町村議会議長会の資料
  3. ③ 地域の声は届かなくなる?大山町の町議選は、2008年に議会が旧町ごとの選挙区をなくしてから、町全体で1つの選挙区です。今の16人でも、地区ごとの代表は保証されていません。減らせば、議員のいない地区が増える可能性はあります。出典:大山町議会議員の定数を定める条例の附則
  4. ④ 直接請求で、条例は通る?全国では、議員定数を減らす直接請求が、請求どおり可決されることはめったにありません(総務省の地方自治月報で、2016年4月から2025年3月までの14件に原案どおりの可決は見当たりません)。ただ、否決のあとに議会が自分で定数を見直した町はあります。福島県川俣町では2015年、町民の直接請求で16人から12人への条例案が可決されました。出典:総務省『地方自治月報』、川俣町議会 平成27年第5回臨時会会議録
県内・全国の町と比べると

県内の町村で、定数16人は大山町と琴浦町だけです。この10年ほどで、8つの町が定数を見直しました(若桜・智頭・八頭・三朝・北栄・伯耆・日南・江府)。

鳥取県内の町村の定数(人口の多い順)
  • 湯梨浜町15,983人12人
  • 琴浦町15,236人16人
  • 八頭町15,092人14人
  • 大山町14,368人16人
  • 北栄町13,820人13人
  • 岩美町10,415人12人
  • 伯耆町10,063人13人
  • 南部町9,781人14人
  • 智頭町5,822人10人
  • 三朝町5,533人10人
  • 日南町3,673人10人
  • 日吉津村3,575人10人
  • 若桜町2,542人8人
  • 日野町2,511人10人
  • 江府町2,394人9人

人口は住民基本台帳(2026年4〜5月現在。岩美町は10月1日現在)。定数は各町村の議員定数条例。

全国の、人口が同じくらいの町の定数

人口1.3万〜1.5万人の町は全国に61町。いちばん多い定数は14人(22町)で、真ん中も14人。16人は大山町を含めて9町です。

  • 10人4町
  • 11人4町
  • 12人11町
  • 13人8町
  • 14人22町
  • 15人3町
  • 16人大山町はここ9町

住民基本台帳人口13,000人以上15,000人未満の町(村は除く)。大山町は14,599人。

全国の、面積が同じくらいの町の定数

面積180〜220km²の町は全国に45町。真ん中は12人で、いちばん多いのは10人(15町)。16人は大山町と香川県まんのう町の2町だけです。

  • 8人1町
  • 9人3町
  • 10人15町
  • 11人2町
  • 12人11町
  • 13人4町
  • 14人6町
  • 15人1町
  • 16人大山町はここ2町

面積180km²以上220km²未満の町(村は除く)。大山町は189.7km²。面積だけで区切ると、人口の少ない町も含まれます。

全国の2つのグラフは、全国町村議会議長会「第71回町村議会実態調査」の町村別データ(2025年7月1日現在)から集計しました。定数は調査時点の値で、その後に見直した町もあります。

町村人口面積km²定数直近の選挙(立候補/定数)定数の見直し
湯梨浜町15,98377.9122025年 13人/12―(2013年から12人)
琴浦町15,236140.0162026年 20人/16―
八頭町15,092206.7142025年 無投票2016年 16→14
大山町14,368189.8162025年 17人/16―(2013年から16人)
北栄町13,82056.9132025年 無投票2024年 15→13
岩美町10,415122.3122026年 13人/12―(2006年から12人)
伯耆町10,063139.4132025年 無投票2024年 14→13
南部町9,781114.0142024年 無投票―
智頭町5,822224.7102025年 11人/102023年 12→10
三朝町5,533233.5102025年 12人/102024年 12→10
日南町3,673341.0102023年 無投票2017年 12→10
日吉津村3,5754.2102023年 無投票―
若桜町2,542199.282026年 11人/82023年 10→8
日野町2,511134.0102023年 11人/10―
江府町2,394124.592025年 10人/92025年 10→9

人口は各町村が公表する住民基本台帳人口(2026年4〜5月現在。岩美町は10月1日現在)、人口の多い順。面積は国土地理院。選挙は選挙ドットコムと各町村の選挙結果、見直しは各町村の議員定数条例の附則で確認。見直しは議決の年で、適用は次の一般選挙から。大山町の現員は15人(欠員1)。

私はこう見るここからは小谷英介の意見です

私は、この直接請求の代表者として、14人を提案しています。

人口が減っていく中で、16人がいまも必要だとは思いません。実際に、いまの議会は15人で動いていて、それで支障が出ているわけでもありません。町民の皆さんにサービスの見直しをお願いしている今、議会も自分の形を見直すことが、町の決定への納得につながると考えています。

はじめは12人を考えていました。けれど調べるほど、減らしすぎることの弊害も見えてきました。いちばん大きいのは、新しく手を挙げる人のハードルが上がり、議会の新陳代謝が止まることです。だから14人にしました。

そして、これは数だけの問題ではありません。減らしても無投票になった町があります。大事なのは、議会を担う人を、地域でどう育てていくかです。この10年、地域自主組織や大山未来会議で町のことを考え、動いた人たちの中から、議会に入る人が何人も出ました。私自身も、大山未来会議に参加していた一人です。その流れを、もう一段広げたい。このサイトは、そのための最初の一歩でもあります。

小谷英介(元大山町議会議員)
反論はお問い合わせへ。いただいた反論は、記事の末尾に原文のまま載せます。
元の資料
運営者の活動のお知らせ(この記事の解説とは別です)直接請求の説明会を、10月19日以降に大山・名和・中山で開きます。日程は決まり次第お知らせします。このサイトでは署名を集めていません。署名は、正式な署名簿に、ご本人が自筆でお願いします。

あなたはどう思う?

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